tsukimiya's diary

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回線の速さにについて

風古戦場の準備は進んでますか?(挨拶
筆者はようやくグリム琴の4本目が完成しましたが、グリームニルが寝させてくれない日々を送っています(つらい

 

今回はリアルタイム性の強い対戦ゲームにおいて度々話題になる回線の速さのお話です。

お伝えしたいこと

誤解のないように、まずは大前提の話から。
先日の記事にも書いたように自分が考える格闘ゲームの面白さの一つは「自分の好きなキャラを自分が思うとおりに動かせる事」だと思っています。回線が遅く遅延が発生しやすい状態というのは、この面白さを損なわせる原因になります。自分が方向キーを右にいれてるのに、実際にキャラが動き始めるのが1秒後、とかでは「思い通りに動かせている」という感覚にはならないと思います。

より多くの人が快適に遊べるようになってほしいと思い、一回記事にまとめる気になりました。

そもそも、回線の速さとは何か

多くのプロバイダーが宣伝文句に「高速であること=1Gbpsの回線」という表現を使っていますが、これは格闘ゲームに求められる速さではありません。これは「1秒間にどの位のデータが送れるのか」という回線の太さ(帯域幅、bandwidth)であり、対戦格闘に求めるのは多くの場合応答速度(latency, ping値)となります。格闘ゲームの通信では動画のような大きなデータを送信しあっているわけではなく、入力されたコマンドなど比較的小さなデータを送りあっています。よって帯域幅が問題となることは少なく、応答速度が問題になる場合のが多いのです。

無線ってだめなの?

無線の全てがダメなのか、というと答えはNoだと考えています。一方で無線より有線で接続したほうがトラブルが少なく、とりあえず有線にしよう、という話も一定理にかなっていると思います。
ここではいくつかのパターンを紹介します。

WiMAXスマホテザリングで接続している

残念ながら、それらでは楽しく格闘ゲームをプレイできる応答速度は出ません。通信状態が良好な状態ならある程度遊べる可能性はありますが、酷いときは動きが頻繁に停止し(ゲームによってはキャラクターがワープしたように見える)、とてもではないですが思い通りに動かせている、という気持ちになりません。ネットワーク対戦をする事を考えるのなら、別の手段で接続することをオススメします。

ゲーム機と無線LAN親機(無線LAN搭載ルーター)が同じ室内にあり、比較的距離が近い場合

親機と子機が比較的近いが配線の煩わしさを解消するために無線を使っている、という方は居るといると思います。このケースについては問題無く対戦を行う事が可能な場合が多いです。無線LAN搭載ルーターの性能も上がっており、エントリーモデルでも速度が出て安定した接続が出来る機種が増えています。例えば無線で接続されている自分のノートPCから自分が管理している国内のサーバに向けてpingを打って見たところ、平均10ms以下と安定した応答速度が出ていました。このくらいの応答速度なら、問題無く対戦出来る、という可能性は高いと思います。

ゲーム機と無線LAN親機が別の部屋にあり、壁などの遮蔽物に遮られている

電波は壁などの遮蔽物があった場合減衰されます。その結果、応答速度が遅くなる可能性があります。一軒家で親機の場所とゲーム機が置かれている場所が離れているケースなど、強い電波が届かない状態の場合は無線LANを使う事で快適な対戦が行えなくなる、言うことが考えられます。

この場合、無線LAN中継器を間にいれることで解消される場合もありますが最も安価かつ確実に解決するなら有線LANケーブルを這わせた方が早いと思います。
家族に怒られたり、ネコが引っかけたり噛みちぎるといったトラブルもあるため、100%安心とはいかないのが辛いところです。

光回線を引いていて有線LANなら安心なの?

答えはNo。光回線であっても応答速度が遅いケース、というのもあります。例えば集合住宅の入り口まで光ファイバーが来ているが部屋までが電話回線で接続されている、いわゆるVDSLの場合はノイズが入り応答速度が遅くなる可能性があります。

この場合、大家さんや管理会社を説得することでVDSLからLAN配線方式や光ファイバー方式に変更や、お住まいの部屋が3F以下で工事を許可してもらえるなら自室に直接ホームタイプの光ファイバーを引く事で問題解決することが出来ますが、大家さんが許可してくれない場合は引っ越ししか選択肢がない、という可能性もあります。

また、現在多くのプロバイダーがベストエフォート(出来るだけ頑張るけど保証は出来ない)でサービス提供をしており、自分と同じ回線を使っている人が大量にダウンロードを行っている、といった理由で速度が低下する可能性もあります。プロバイダーに相談することで解消する事もありますが対応してもらえない事も多く、別のプロバイダーに乗り換えるしかない、という事もあります。移った先のプロバイダーで問題が解決するのかどうかわからない事も多く、中々難しい問題です。

そもそもネット接続はそこまで安定していない

インターネットを使って対戦する場合、相手と1本の線で繋がっているわけではなく様々な経路を通って接続されます。いつもは問題なく接続が行えている相手でも経路上でトラブルが起きていれば遅延が発生する、といった事もあります。お互いに最善をつくしていても問題が発生する可能性はある、と言う事は心に留めておいてほしいな、と考えています。

ランキングマッチの仕組みが悪かった、という話

ちょっと話はそれますがなぜ遅延のある事を嫌う人が多いのか、という話。もちろん単純に思い通りに動かない事がストレスになる、というのもありますが過去にあった対戦格闘ゲームのランキングマッチにおけるポイントシステムが悪かった、というのもあると考えています。ポイントが一戦毎に見え、ランクが自分より低い相手に負けた場合に1戦負けただけで20戦連勝で上がったポイントが失われてしまう、というようなゲームがありました。負けた原因がゲームのプレイ内容にあるならともかく、遅延でまともに動かせない状態で負けてしまった。その敗北が数値として見えてしまう、というのはかなりストレスがたまると思います。(実際、私も配信時は良い人であることを心がけてましたが内心かなりキレていた事がありました)

ArcSystemWorksさんのゲームは細かいポイントの変動が見えない段位制を取っているものが多いのでGBVSは大丈夫だと思いますがこういった経緯から遅延を嫌う人は(自分を含め)多いと思います。

対戦格闘ゲームは相手が居なければ成り立たないコンテンツ

対戦格闘ゲームは基本的に対戦相手がいてこそ成り立つコンテンツです。相手には真剣に勝ち負けを競いたい人もいれば、わいわい楽しめればいい、という人もいます。様々な熱量を持った人が楽しめるのも対戦格闘ゲームの良いところだと思いますが、熱量が違えばそこにかけられるコストが違う、というのは当然かと思います。

また、住居的な理由やその他の理由で回線状況を選択できない、という人も多いと思います。全ての人に遅延の少ない快適な環境を、というのは理想ではありますが今現在技術的な制約もある以上それは難しいでしょう。

どんな相手と対戦しても相手への敬意を忘れず楽しく対戦したい、という自戒を書いて締めようかと思います。

約20.5時間後に楽しく対戦出来ている事を信じて。